今、多くの公立中学はどこへ行くか選択できるようになりました。
どうして、こういうことが起こったのか、というとやはり公立中学というところは、公平ということを考える。みんな同じにやろう。ところが、それでマンネリ化する。学校の現場にも競争原理を働かせないと、学校が良くならないのではないか。
とそう考えた首長たちが、学校選択制に踏み切ったのです。本来、公立学校は教育委員会が通学区を決定することになっているが、1997年に文部省が「通学区域制度の弾力的運用について」という通知を出し、柔軟に対応してよし、ということになり、2000年の品川区を皮切りに、公立中学を選べるようになったわけです。
これを聞いたとき、要はリストラだなあ、と思いました。
競争原理を働かせれば、結局勝者と敗者がでるわけで、敗者は必要なくなるわけだから、廃止する。予算が限られている以上、少子化になれば学校の数は減らさないといけないわけで、選択制を導入することで、どの学校を閉鎖するか、決めるんだろうなあ、と私は思っておりました。
実際に、選択制になることで、人気が出る公立中学とそうではない中学に分かれたわけですが、しかし、ここでまた競争原理が働くことになりました。
つまり、人気が出る公立中学では内申が取れない、ということなのです。
今は相対評価ではありませんが、それでもできる子どもたちが集まれば、良い点数は取りにくくなるのは道理で、それならば「人気のない公立中学」を選んだ方が良いのではないか、というような話も聞こえてきました。
杉並区は2016年に選択制を廃止する方向で検討に入ったようですが、今後も見直しを余儀なくされるかもしれません。
公立中学は本来、地域のコミュニティを中心に存在するものなので、ここに競争原理を持ち込んだときに、当然、いろいろな問題が新たに生まれることにはなります。
しかし、制度が変わる、ということになれば、やはり考えておかないといけない。
現在の東京都23区の実施状況はこんな感じだそうです。
選択制でないと、もう行く公立は決まるので、あまり考えなくても良い話ではあるのですが。
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