ソフトな管理型

いくつかの塾の模擬試験資料を最近見せていただきました。20年前ぐらいと比較してみると、学校もだいぶ変わってきて、偏差値表なんかは「あらら」と思うことがありますね。

最近のトレンドでいうと、「安心」ということばがキーワードのようです。

もちろん震災のことがあるので、家から近い、あるいは施設が頑丈である、というのもしっかり見られているところだと思いますが、昨今のいじめ報道の問題もあり、しっかり生徒を管理してくれる。ただ、それが今度はハードにならないように、あくまでソフトに。という嗜好ではないでしょうか。大学受験についても安定して実績がでているところが好まれているようです。

だから15年前ぐらいのデータと比較してみると、偏差値が上がった学校はこういう「ソフトな管理型」が多いようです。ソフトな、というところが大事で、ハードなところはやはり修正を迫られている印象がありますね。

最近は学校にもいろいろな特徴があるようで、ある学校は明らかに「これは塾だ」と思えるシステムが加わっています。良く調べてみると、どうも学校法人の中に塾が入ってきているようで、なるほどなあ、と感じます。全国には塾が経営している学校があるので、このくらいはむしろ当たり前なのかもしれませんね。

学校には創立の精神があるし、やはりその学校らしさは大事にしてほしいが、しかし一方で私学も競争です。生徒募集に関して言えばやはり特徴的な指導やシステムが必要になってきているのは間違いありません。

ここ5年から6年ぐらいは首都圏については各学年30万人前後が在学し、その16%~17%が中学受験をするという傾向は変わりませんが、子どもが一人当たり受験する学校は減少しており、各家庭がしっかり学校を選んでいます。

その意味で「伝統」や「学風」ばかりにあぐらをかいていてもいけないところがある。別に塾のようにやってほしいとは思わないが、それぞれの学校が「子どもの成長」にプラスになるシステムは編み出してもらいたいと思います。教育はなかなかイノベーションが起こりにくい分野ではありますが、それでも「何か」を求めていかないと、どんどん埋没してしまう可能性があるのですから。

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