■2005年の中学入試はなかなか大変でした。指導要領の改訂後、中学受験者数は右肩上がり。大学が2007年に全入時代を迎えるというのに、今年の中学受験生は首都圏で46000人(推定)。定員が42000人となると、いけない子がすでに4000人出るというのです。しかも男子と女子の間には若干差があって、男子の場合は女子に比べて学校数が少ない。そういう意味で人気校の競争は大変なものです。
■分析を読むと、男子の2月1日校は四谷大塚の80%合格偏差で55以上の学校に60%以上の生徒が受験しているということです。競争が厳しい状況になると親としては多少無理しても何とか合格してほしいと思うようになるものです。
■しかし無理が長く続けば、子どもたちには必ず影響が出ます。かつて第2次ベビーブームの世代が中学受験をしたときも、なかなか厳しい受験でしたが、ともすると信じられない無理がまかり通りました。しかし、今の子どもたちはすでにそれに近い、あるいはそれを通り過ぎた状況にあると思えるのです。
■通塾が多くなり、個別指導、家庭教師、勉強・勉強になってしまっては、本来子どもたちのためにする受験が、子どもの順調な成長を阻害する要因になりかねません。実際に塾が週4回、5回になっている子どもたちが少なくないのです。中学受験は子どもたちがまだ小さい分、保護者のみなさんが子どもたちをサポートしなければなりません。しかし、そのサポートの仕方を間違えると、子どもたちの状況はむしろ悪化してしまいます。
■e-duce.netは家庭を中心に中学受験を組み立てようというご家庭をサポートする目的で作られました。母親講座の連載を始めるのはこれで4回目になりますが、そう簡単には終われないなあという気持ちをこめて「まだまだ母親講座」と名づけました。私共が考える家庭を中心にした中学受験のありかたをお話していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。(田中 貴)
(2005年3月22日)