第48回 競争率

■1月校の競争率が発表されました。これから2月の神奈川、東京の学校も願書の受付が始まり、競争率が発表されると思います。

■近年の入試の倍率は一部の学校を除いて2.5倍から3倍までにおさまっているようです。2日校でも、名目倍率が4倍とか5倍の学校もありますが、実質の倍率はだいたい2倍くらいになります。

■例えば2月2日に募集を行う男子校を例にとりましょう。昨年の募集は90名で、応募人員は550名ですと倍率は6倍になります。ところが実質は受験した生徒が430名、合格者が200名でしたので倍率は2倍でした。出願したにもかかわらず受験者が120名も減少しているのは、二重に出願されているからです。2日校の場合、1日の出来によって安全に行く場合と、挑戦校を選ぶ場合と最後まで迷うケースがありますし、1日に結果の出る学校を選んでいる場合、その結果によって2日の受験校を変えることがあるからです。募集人員が90名にもかかわらず200名の合格者を出す理由は当然、合格者が全員入学をするわけではないからです。2日の場合は、1日校が合格だと入学辞退になるケースが多いので、どうしても合格者を多めに発表します。

■ですから、だいたい2倍から3倍が平均的な競争率といってよいでしょう。しかし事前に発表される倍率と実質の倍率は必ずしも一致しません。したがってこの数字をごらんになって、あわてて受験校を変える方がたまにいらっしゃいますが、私はあまりお勧めしません。

■ひとつには数字が不正確である可能性があること、実際に出願者が増加しても受験者はあまり変わらなかったということもあります。また何か入試のシステムで変化がない限り、数字が大きく変化することはあまりありません。したがって、その数字よりも学校の内容を考えて選んだ選択を大切にするべきなのです。

■気になる方は、見ない方が良いかもしれませんね。何倍であるかということはそれほど重要ではないし、だいたいどこの学校でも倍率は2倍から3倍の範囲ですから、そういう意味で変わりはないといっても過言ではないのです。

■受験には隔年現象というのがあります。ある年難しくなると翌年やさしくなり、そうするとその翌年はまた難しくなるという現象のことです。やはりその倍率が気になる方が少なくないということかもしれません。そろそろ、そういう現象はなくなって、子どもたちが自分の行きたい学校をしっかり選ぶという受験になってほしいなと思うのです。

(平成15年1月12日)

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