以前は複数回受験をする学校はあまり多くはなかったと思います。しかし、今は1回で入試を終える学校の方が少ないでしょう。
回数を多くし、受験機会を増やすことで、なるべく優秀な層を集めたいという意図があるわけですが、一方で一回の受験の定員が減るために、試験の偏差値は上がります。
例えば1回だけの試験で120名取っていた学校が60名を2回にすることによって、偏差値は上がることが多い。それだけ難しいと思ってもらえれば、これは逆に受験生を集めることができたので、多くの学校がこのシステムを採用してきました。
ある名門の女子校がありました。伝統校で、まあお嬢様学校的な見られ方をしていた。しかし、ある一定の評価以上に学校は上がっていかない。その学校は2月1日の入試だけだったので、いろいろ議論をした結果として2月3日に2回目の入試を行うことにしました。
ただ、これには反対論もあった。ひとつには、入試の作業が増える。まあ、2回やれば当然、2回分の問題は作らないといけないし、学校も休みにしないといけない。さらに、根強い反対としてあったのが、「第一志望でない子が入学する可能性が増える。」ということでした。
それまで1日だけで入試を行っていたので、第一志望の子がほとんどだったそうですが、2回目は3日ということもあり、2月1日に他の学校を受験してきた子どもたちが受験するようになる。そうすると第一志望ではない子が来る可能性があるので、学校の雰囲気が変わる可能性がある。これはあまり良いことではないのではないか?
当時の議論の結果としては、それでも学校を活性化させたいという狙いの方が強かったために、この3日入試は実施されました。
結果として、完全に二層の学校の構造になったそうです。1日組と3日組に分かれる。1日組は以前と変わらず、比較的のんびりとした層。3日組は、やはり次の大学受験を狙って「がんばる」層。学校の狙いとしては3日組が1日組に与える影響が、また活性化のもとになると考えていたようですし、多少なりともその効果があったという意見もあります。一方で、「やはり学校の雰囲気が変わってしまった」と感じられる先生やOGはおられるようです。
現在までのところ、この入試制度は変わっていないので、それでも学校にとってはこの入試改革はプラスになったと考えられていると思います。
以前、お話を聞いたところで言えば、1日のレベルが充分に上がってきたら、3日は取りやめる、ということのようでしたが、まだそこまではたどり着いていない、ということなのでしょう。
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中学受験で子どもと普通に幸せになる方法、本日の記事は
すねる子
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