■入学試験で一番注意しなければならないのはミスを出さないということです。せっかく正答できるはずの問題を失点してしまうと大変もったいないし、合格点に届かなくなってしまいます。そこでミスを防ぐ方法を自分で体得していかなければなりません。
■自分の字を読み違えるの次に多いミスの原因は問題を読み違えるということです。例えば本当は売値を出さなければならないのに、原価を出してしまう。太郎君の速さを出す問題なのに、次郎君の速さを出してしまう、こういうミスが実に多いのです。
■このミスは、何か式を立ててうまく割り切れたり、整数のきれいな値になったときにおこります。心の中で「できた!」と思うからです。その瞬間にワナが待っています。ですから、「できた!」と思った瞬間に、もう一度、問題を読み直すことを勧めます。最初から問題を読むときに指示にアンダーラインを引いておくのもいいでしょう。そしてもう一度何を求めるか、確認してから進みます。
■これは算数ばかりではありません。国語でも自分のことばで答えるのか、それとも抜き出すのか、記号で答えるのか、正しいものを選ぶのか、間違っているものを選ぶのか、常に答えを出すときは問題の指示を確認する必要があるのです。
■誰でも間違いはするし、ミスは出ます。したがってそのミスを最小限にする方法を自分なりにもっていなければなりません。成績の良い子どもたちでも、当然ミスをします。ただ、彼らは試験時間内に自分のミスに気がついて訂正できているのです。問題を見直したり、検算をしたり、その過程で自分のミスを発見して訂正できれば問題はありません。
■その次に起こしやすいミスは計算間違いです。計算は算数や理科の基本ですが、やはり試験では思わぬミスをやるものです。式をたてていって、さあ、割るぞと思ったとき、値段が小数になったり、分数になったりすると、みなさん、あせってしまうでしょう。「えー、どこで間違えたんだ!」ところが戻ろうと思っても、式をかいていなかったり、ひとつひとつ検算しながら進んでいないと自分のミスを訂正することができなくなります。
■計算はその場で検算するのが一番です。式を書いて、その式をもう一度見直せばいいのです。計算が間違っていないという自信があれば、どこかで考え方を間違えたのでしょう。そのときは問題をもう一度読み直すと「なーんだ、ちがうじゃん」と自分のミスをみつけやすくなります。
■算数や理科の問題ではとにかく式を書いて消さずに残しておくことです。うまく解けなくなったときでも、式や計算が残っていれば、もう一度確認することができるでしょう。よく見かけるのですが、最後の式まで書いてきて割り切れないとすぐ全部消してしまう子がいます。これでは時間が足りなくなってしまいます。うまくいかなかったら、もう一度見直す、そして自分が何を間違えたのか見つける、その練習を普段のテストからやってください。
(平成17年4月26日)