勉強しない理由

この時期、まだ自分から進んで勉強する、という子はそう多くはありませんが、しかし、それでもやる子はやっている。

しかし、言わないと勉強しない、とか、親が見てないとやらない、とか、まあ、そういう子は少なくないでしょう。

で、どうしてそうなのか? ということを考えてみないといけません。

やはり理由がある。

1 勉強がおもしろくない。

問題が解けていると、それなりにおもしろさは出てきます。しかし、解けないとちっともおもしろくない。また、覚えないといけない、ということになるとこれもまた、面倒だということになってしまう。つまり、おもしろい、と感じることが少ないから勉強したくないのです。

2 勉強することが得だと思っていない。

受験を経験してみれば、「やはり勉強しないとだめだ」ということはわかってくる。お父さん、お母さんは少なからず受験の経験があるわけだから、「やらないといけない」という気持ちが強いでしょう。しかし、子どもたちにはその経験がない。ましてまだ1年先の話ですから、「合格しなきゃ」という気持ちにはなかなかなれない。

であるならば、この2点を解決する、ということが必要になります。

1 を解決するためには、やはり勉強しないといけないわけだから、ある程度時間を拘束する必要があります。できる、わかる、という体験を積めば、やがては自分でできるようになるが、そうでなければ積極的な態度にはならない。だから、親が一緒に勉強する、というのが一番いいと私は思います。例えば国語は横からどんどん、言葉を教えてあげる。算数の問題は一緒に解いて競争する。そういうことで、子どもが少しでも勉強に楽しさやおもしろさを感じてくれれば、やがて自分で勉強を始めるようになります。その経験がないまま、「勉強しなさい」と言っても事態はあまり変わりません。最近はお父さん、お母さんが一緒に勉強される方も少なくありませんが、それでもお父さん、お母さんは忙しい。だからつい、塾に任せて一緒に勉強する、という時間がとれない方も多いでしょう。しかし、子どもと一緒に勉強する機会は、多分、これが最後です。中学になったら、まず一緒に勉強するということはありえない。だから、今のうちにその機会を楽しむ、という気持ちで勉強につきあってあげてください。

2 を解決するために、一番良い方法はご褒美です。まだ受験は先のことだから、「合格するために」と思ってもそれがピンとこない。しかし、ご褒美があれば、子どもたちは違います。物でつる、というのには批判もあるかもしれないが、しかし、実際に子どもたちはそれで勉強してくれることが多い。例えば、漢字を今週の分、全部覚えたら、明日、漫画が手に入る、と思えば、子どもたちはまずがんばります。つまり「~点」とったら、ということよりも、もっと具体的に小さな目標に区分けして、それでご褒美を考える。だから子どもたちはスタンプとか、ポイントとか、結構乗ってくれるところはあるのです。これはきっかけに過ぎません。やがて志望校が決まり、本当に勉強しなければいけない、という意識になれば、もうスタンプはほっておかれる。ただ、これは6年生の後半にならないとそうならないものです。だから、前半はご褒美を考えてあげる。ほんのちょっとしたもので良いのです。でも、それを自分の力で得たという体験は子どもたちの自信に必ずつながるから、そういう実績を積む機会だと思っていただければよいのではないでしょうか。

勉強しない、と批判するのは簡単だし、怒るのもわかるが、しかし、それでは実はまったく解決しないことが多いのです。

子どもの気持ちをもう少し考えてみてください。

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