第87回 手厚い塾

■ある大手塾の教室長と話をしたときのこと。

■「最近は、会員が減少してきて、6年生のクラス数が減ったので、充分に専任だけで回るようになりました。ただ、上位の子も減ったのでこのままだと合格実績が減ってしまう、という危機感が強く、まあ補習したり、過去問の添削をしたり、おおわらわ。何とかそこそこ数字が出せたので今年は良かったと思いましたが、しかし、募集は案の定ぱっとしません。かつてはここまで手をかけることがなかったが、生徒同士が競い合っていたので、そこそこ実績も良かったのです。やはり先生が伸ばすだけではなく、生徒同士でも伸ばすものなんです。」

■これは説得力のある話だと思いました。確かにこの教室は以前に比べてはるかに手厚くなったのかもしれないが、子どもたちは逆にのんびりしてしまっている。競い合いが少ないから、上位にいれば安心してしまう。しかし、本当は安心できる話ではない。上には上がいるわけですが、しかし目の前にいないから、「これでいいんだろう」と思ってしまう。

■塾に何を求めるか、という点ではいろいろあると思うのですが、最近良く思うのは実は生徒同士の競争力が大事だという点です。もちろん、子どもの状況によって違うのですが、これまでの塾の変遷を考えてみると、がちゃがちゃしている塾の実績が良い。ところが、少子化が進んで、塾が子どもを迎えに行くようになると、ひとつひとつの教室の規模は小さくなり、手厚くはなるが子どもたちの競争は低下する。当たり前ですが、入試は競争ですから、競争力がつかなければ合格しない。その意味では手厚い塾がいいわけではない、という面があるのです。

■中学受験の塾は20年前に比べると圧倒的に多くなった。昔は1時間かけて塾に通った、なんてこともありましたが、今は考えられないでしょう。その分、便利になり、手厚くもなったが実はそこに落とし穴がある。もちろん手厚く見てもらった方が良い場合もあるでしょうが、競争も必要なんだということは考えておいた方が良い点だと思います。だから教室の数があまり増えないのも良い塾の条件かもしれません。

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