社会の出題形式

最近の社会の入試問題はだいぶ長くなりました。地図や写真、あるいは昔の資料などから出題するので、いきおい読む文章は長くなりました。しかし、問題をよく見てみるとやはり大きく分けて3つに分類することができるでしょう。

(1) 知識単答型
(2) 資料読解型
(3) (1)と(2)の融合型

(1)はずばり、知識を問う。問題の形式がどうであれ、最後に知っているか、知っていないかで勝負が決まる問題です。地理にしても歴史にしても、知っているか、知らないかで問題の答えが出る学校。やはりこの類型が一番多いとは思います。

(2)は知識も必要なのだが、しかしそれだけでは解けない。考える必要がある、あるいは資料から読み解く必要がある問題を出題する学校。

(3)は(1)と(2)の両方を出す学校。しかし、この類型はやはり知識の比重が大きいと言えるだろうと思います。

男子受験校では(2)が比較的多くみられるが、しかし、形式に惑わされてはいけません。良く問題を見てみると、「なんだ、これは知らないとできないじゃないか」という問題が案外多いものなのです。大学受験をさせる学校では、比較的細かな知識を問う場合が多い。「日本地理は、中学受験のころの知識で大学を受けた」という強者もいるくらいですから、ある程度細かいことを出す学校もあります。

だから、いったいどのレベルまでの知識が必要になるかを考えないといけないわけですが、これは学校の入試問題を見てみればわかります。多くの学校の場合は塾が用意する暗記テキストで充分なはずです。それ以上に細かいことは、中学校の歴史の教科書を読んだり、あるいは問題を通して覚えていくしかないわけです。しかし、基礎が充分でないのに、そちらに手を出しても意味がない。まずは基礎力をしっかり養うことでしょう。
ただ(2)の対策はなかなか難しい。やはり過去問から学ぶしかありません。

したがって、早い段階で基礎的な勉強を終えて、あとは演習しながら、考え方を学ぶ必要があります。

過去問もあまり古い問題をやるよりは、他の学校の似たような問題を探してやるようにしていけばいいのです。

社会の場合、どうしても基礎の知識を覚えるのに時間がかかりますから、この練習が始まるのは早くて2学期からでしょう。

でもそれで充分です。その代わり、それまでに基礎の力をしっかり蓄えてください。ただし、早めに自分の受験する学校がどういう出題傾向なのかは、しっかりとらえて、年間の学習戦略を考えていきましょう。

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空気に関する問題

2014年開成中学の問題です。


ガラス製の注射器に空気を入れ、押さえる力や温度によって空気の体積が変わることについて考えます。空気の量は、ピストンをおもりで押さえない状態で30.0mLとし、空気がもれないように注射器の先を閉じておきます。ピストンは注射器内部でなめらかに動くことができますが、注射器とピストンのすき間から空気がもれることはないものとします。また、ピストンの断面積は2.0cm2とします。

 はじめに、注射器を水平な床面に対して垂直に固定してピストンの上におもりを乗せていきます。すると、おもりの数と空気の体積の関係は以下の表のようになりました。ただし、おもりの重さはどれも同じで、1個の重さは1.0kgです。

問1 解答用紙の方眼上で、おもりの数を横軸に、空気の体積をたて軸にとり、おも・りの数が0~2、4~6のそれぞれのときの空気の体積を点で表し、すべての点をなめらかな1つの曲線でつないで、おもりの数と空気の体積の関係のグラフを完成させなさい。

問2 問1のグラフを用いて表の(1)にあてはまる数値を答えなさい。

 空気を押さえる力の大きさと空気の体積の関係は、押さえる力の大きさを2倍、3倍と大きくしていくと、体積が\frac{1}{2}倍、\frac{1}{3}倍と小さくなることが知られています。ところが、上の表の結果は、おもりの教を2倍、3倍としても、体積が\frac{1}{2}倍、\frac{1}{3}倍とはなっていません。これは、おもりが乗っていないときからピストンには大気の重さがかかっており、空気を押さえるカの大きさは、おもりの重さとピストンにかかる大気の重さをたしたものと考えられるからです。なお、ピストンの重さはおもり1個の重さに比べてとても小さいので無視することとします。

問3 ピストンにかかる大気の重さは1.0kgのおもり何個分でしょうか。もっとも近い整数で答えなさい。

次に注射器からおもりを降ろし、注射器を水そうの中に入れ、水そうに氷や熱湯を入れて温度を変えていきます。すると、温度と空気の体積の関係は以下の表のようになりました。なお、測定時の気温は11.3℃でした。

問4 表の(2)にあてはまる数値を答えなさい。

 温度が下がるとともに気体の体積が減ることは昔から知られており、気体の体積が0mL以下になることは考えられないことから、「それ以下にはならない温度」が存在すると考えられました。

問5 上の表にある温度と空気の体積の関係が、ずっと低い温度になっても同じように成り立つとすると、「それ以下にはならない温度」は何℃であると考えられますか。もっとも近いものを、次のア~エの中から1つ選び、記号で答えなさい。

ア ー200℃   イ ー240℃   ウ -270℃   エ ー300℃


(解説と解答)

問1 グラフは下図のようになります。

なるべくなめらかな曲線にする、という条件を満たすようにしましょう。

問2 グラフから12.0を読み取ります。
(答え)12.0

問3 1個と4個でちょうど半分になっています。おもりを乗せていないときの大気のおもさをおもり【1】個分とすると。
【1】+1:【1】+4=1:2になることから【1】+4=【2】+2より【1】=2個分になります。
(答え)2

問4 温度が15.0℃上がるごとに、体積が1.6mLずつ増えているので、32+1.6=33.6mL
(答え)33.6

問5 30℃で32mLですから32÷1.6=20 15×20=300℃から30-300=-270℃で体積が0になります。

(答え)ウ

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どこでわからなくなったのか

算数ができない、という子の問題点を探ってみると、原因がいくつか浮かび上がってきます。

1 四則計算ができない

本来、四則計算というのは塾で正面から扱うことはないでしょう。分数や小数もそれほど時間をかけてやっているわけではありません。だが、計算はやはり練習がいります。ところがその練習が不十分なまま塾で授業を受けていると、先生の説明がわからない。先生が計算の部分を説明して、そのやり方を詳しく話すことはまずない。例えば156÷12は13だから、というように話したとして、これが追えない。え、なに?と思ったところで、もう先生の話は先に行っているからついていけなくなる。特に割り算は、結構詰まっている子が多いものです。

2 分数の計算ができない

割合や速さの問題になってくると、分数の計算を多用します。しかし、もともとの分数の四則計算は学校ではまだやっていないのです。しかし、塾ではどんどん進む。そのスピードについていけない。例えば分数の割り算は割る数の分母と分子をひっくり返して(つまり逆数を)かけろ、と教えられます。なぜ?と詰まる子がいます。こういう子は本当は実は賢い。なぜと思えるのだから、それだけ探究心があるのです。しかし、その探究心があるがために、納得できないまま進んでしまって、わからなくなるということがあります。

3 言葉の意味がわからない

文章題を解いてもらった後、説明をすると
「え、そういうことだったのか。」
という子がいます。

やり方がわかったのかな、と思って後で聞いてみると、実は問題文の意味がわかった、ということがあります。確かに算数の問題には独特の表現があることは事実で、この独特の表現がミスを生むこともある。「太郎君が4歩でいくところを、次郎君は5歩で行き、太郎君が3歩歩く間に次郎君は2歩歩く」などと言う表現は、日常生活ではまず使わない。これは歩幅の比が太郎君:次郎君=5:4で、動きの比が太郎君:次郎君=3:2だから速さの比は太郎君:次郎君=15:8ということになるわけですが、勉強しているうちに頭に入るだろうけれど、最初のうちはどういう意味だ?と思ってしまうことがあるものです。

で、大事なことは、わからなくなったら、わかるところまで戻る必要がある、ということです。

割り算の練習が不十分であるのなら、練習をすべきであるし、分数の割り算が納得がいかないとすれば、どうしてそうなるかを一緒に考えてみる、必要があります。

わからなくなったところに戻らなければ、結局、わかることを積み重ねられないので、先に進めないはずなのに、進んでいるから、さらにできなくなり、いやになるのです。

そんなところまで戻ったら時間がない、などと思ってはいけません。それが一番の早道であり、できるようになれば子どもたちは自信を取り戻し、意欲を出すからできるようになっていく。そうなれば加速度的に理解は広がっていくのだから、どこでわからなくなったのかをしっかり調べることが大事であり、そこにしっかり戻る勇気を持つべきです。

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